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技術者と営業  「活・喝・勝」


儲けの共有

「この仕事を、他社より1円でも安くやらないか」と言われたら、誰でも、やると考えるだろう。1円くらいなら少し頑張れば、下げられるはずと考える。

ところが、このような話に限って、落とし穴がある。

一つは、そもそも他社の金額が、いくらのか判らない。仮にそれを聞いても、本当か嘘か判らない。つまりは、1円だけ下げれば良いと思うことが誤りであり、実は何百円も低い要求であったりする。

そして、もう一つは、1円の値引きでは満足しないことだ。仮に、1円だけ安い見積を出すとする。すると、相手は、「1円しか下がらないのなら、わざわざ今の付き合いを断ってまで、そちらに変える必要がない」と言われる。つまり、1円だけというのは、見せ掛けで、必ずそれ以上の値引きが待っているのだ。

自分が買う側で考えれば、単純なことだ。買う側のかけ引きであり、もっと下げたいという思惑なのである。嘘も含めて、買う側はそれ位のことは日常的であり、限りなく安く買いたいと考えるのは必然である。

営業の仕事は、受注することである。多少値切られることがあっても、受注のほうを優先したいとの思いがある。しかし、できるだけ多くの利益を得るかを考えて行動しているから、誰でも値切られるのは嫌なものだ。

営業は、日々、値切られることと戦っている。顔で笑って、悔しがったりする。こんなに譲歩しているのに、それでも強気に益々値切りを要求される。これが営業の日々だ。

はっきり言って、値切る人は好きじゃない。だから、自分も値切るのは苦手だ。

なぜ、値切る人が好きでないか。

買う人と売る人との関係は、対等ではない。上司と部下、殿様と家来のような上下関係に似ている。値切る値切らないに関係なく、売る側の立場は弱い。それに対し、買う側は、身勝手であり、一方的であり、選択権、拒否権を持っている。

買う側は要求する側で、売る側は要求される側である。買う側が怒っても、売る側が怒る訳にはいかない。この関係は、致し方ない事実であり、これを否定しても始まらない。

お客さまとはそういう存在だと、自分に言い聞かせて営業は歯を喰いしばる。

それが前提だ。それを承知で、値切る人と対峙しなければならない。値切る人の顔は、自信に溢れ、勝ち誇って見える。こちらの要求に従えという無言の圧力を感じる。

それでも営業は、ニコニコしながら、相手の気分を害さないように、上手く落としどころを見つける。受注さえできればと自分に言い聞かせ、我慢する。

買う側は、このような営業の心情を知っているか。値切る人は、自分の顔が傲慢に満ちて、上から見下ろす言葉遣いになっていないか、それを振り返ったことがあるのか。

なぜ、値切る人が好きでないか。私が好きでない人とは、経営者に限ったことである。かつ、全ての値切る人が好きでない訳ではない。

私が好きでない経営者は、営業の心情を知らない、営業ができない経営者である。このような人に限って、好き好んで値引きをする。私は、そのような人が好きでないのだ。

私は、値引き交渉を否定するものではない。私も、当然高いと思えば、値引きを要求する。しかし、相手をジリジリと追い詰めるようなやり方をするより、高いと思ったらいつまでも駆け引きを楽しむより、さっさと断れば良い。

営業の心情を知らない、営業ができないような経営者と、値引きの話をしても良いことはない。

私の日々は、買うことより売ることがメインだから、売る側の立場から、買う側の立場になった時、いつも嫌なほどされている値切りができない。私は、値引き交渉をするのは、苦手であり、好きでないのである。

私は、営業の心情を痛いほど知っているからこそ、値切りは上手にしなければならないと思っている。売る側も買う側も満足すべきではないかと思っている。必要以上に安く値引いて買っても、後々トラブルがあった時、十分なケアーと求めるのは所詮無理なのである。

私は、儲けることが仕事だから、相手にも儲けてもらえればと思う。相手が儲からないようなことを考えていては、儲けることなどできる人間にならない。

売る側も買う側も、儲けを共有することが重要だ。これは、経営者の責務である。

値引きが得意だと自負するあなた、値引いた額の100倍の受注をしているか。

最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。

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投稿者 :堀田信弘: 2008年9月 6日 06:20




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