文部科学省文化庁のHPに平成18年宗教統計調査が掲載されている。そのデータを見ると、神道系が約1億700万人、仏教系が約9,100万人、キリスト系が約260万人、その他約1,000万人、合計2億1,100万人となり、日本の人口の2倍もの信者数になる。
つまり、国民は二つの系統の重複信者ということになる。これは、世界でも非常に珍しい現象である。
また、キリスト信徒は全人口の0.8%で、日本の歴史上全人口の1%を超えたことはない。これも、世界では珍しい現象である。
さらに、総人口の2倍もの人が信者とされながら、実際に特定の宗教を信じる教徒は、極めて少ない。日本人は、特定の宗教を信仰しない無宗教者がほとんどで、世界でも非常に珍しいとされている。
日本は、戦争に負けてから、信仰する、信じる、従う、団結することに強い警戒心を持つようになった。
最近のアメリカの経済雑誌の調査で、日本人は、会社に対する忠誠心が、世界で最も低い国民とされた。
これらの現象は、敗戦のトラウマが影響しているに違いない。日本は、市民自らの手で革命を起こしたことがない。つまり、勝ち取った民主主義ではなく、与えられた民主主義の中で生きているのだ。
そのため、宗教でも政党でも、特定の集団に加担することを極端に恐れるようになった。いわば、どっちつかずの国民なのだ。
イエスマンという言葉がある。
会社人間なら誰でも知っている言葉だ。
元々イエスマンという言葉は、戦後占領下の政府当局者で、国政の細部までいちいち指示を受けないと行動が出来ない人を意味する政治用語であったそうだ。
これは、アメリカ流のボス型リーダーシップを見た日本人が、抵抗感があったから使われるようになったのである。芦田均内閣は、アメリカの要望どおりの政策を推進しイエスマン内閣と呼ばれた。それに反発するようにして、労働運動や学生運動が広まった。
イエスマンは、上の言いなりで、何もできない人という意味に使われるようになったのだ。その頃から、イエスマンはダメだという現象が広がった。
現在、ほとんどの人が、口を揃えて、イエスマンはダメだと言うだろう。それは本当だろうか?
イエスマンとは、『目上の人の言葉に無批判に賛成する者』と辞書にある。
日本人は、イエスマンを二つの事象から、混同して使うようになった。
まず最大な要因は、アメリカ型のボス型リーダーシップに、和を重んじる日本人の抵抗感があったからだ。日本人は、強いリーダーシップに従うことを拒否しようとしたのだ。そのため、リーダーシップに直ぐに従うような人を侮蔑する言葉として、イエスマンという言葉が使われた。
そしてもう一つは、細かい指示をしないと行動できない能力のない人のことを、侮蔑する意味でイエスマンという言葉を使った。しかし、能力がない人とイエスマンは違う。指示されないと動けない人なのであって、それをイエスマンと呼ぶのは間違っている。
この二つの要因から、上の言いなりになる、能力がない人がイエスマンという意味になった。そして、リーダーの周囲にイエスマンが多いと、ワンマンになり、独裁者として暴走する要因だと指摘されるようになった。
そのため、国民は、侮蔑を意味するイエスマンにはならないようにしようとの強い意志が働くようになったのである。その結果、イエスマンの反対のノーマンが有能であると誤解を招くようになる。
イエスマンとは、『目上の人の言葉に無批判に賛成する者』と辞書にある。この意味をもう一度、じっくり読んでほしい。
私は、ワンマンも独裁も望んでいるものではない。能力のないリーダーに、能力のない部下が集まれば、自ずと暴走するに決まっている。それは、ワンマンが悪いのではなく、能力がない者の集まりだからだ。
しかし、そのことと、これから話すイエスマンとは違う。
有能なリーダーには、有能なイエスマンが必要なのである。
もし、有能なリーダーに、いつも反対を唱えるようなノーマンばかりの集団で、果たしてリーダーシップが取れるだろうか。
私は今回、あえてイエスマンという言葉を用いたが、私の意図は、リーダーの言葉に無批判に賛成する"側近"と言ったほうが正しい。
リーダーに、常に無批判にハイと答え、その考えを実現すべく案を考える。リーダーが細かい指示を出さなくても、リーダーが実現したいことを具現化する作業を開始する。そして、考えて考えて、問題点を洗い出し、メリットとデメリットを並べて、リーダーに決断を仰ぐ。これが、私が求めるリーダーの言葉に無批判に賛成する有能な"側近"の姿である。
どんなに能力がある部下でも、リーダーが何を望んでいるのかを判らず、批判し、反対していたら、リーダーは使える有能な側近とは思えない。その部下は、リーダーに批判的で、リーダーの考えを読めず、リーダーの方針を認めていないから自分を通そうとする。
それでは、強い組織ができるはずがない。
リーダーには、有能な側近が必要なのだ。側近とは、単なる部下ではない。リーダーの意思を汲み取れる、リーダーの立場になって考えられる、リーダーと一身胴体の有能なイエスマンなのだ。
日本では、こんな側近を持ったリーダーの組織が育ち難い風土にある。これは悲しいことであり、由々しきことである。日本人は、会社に対する忠誠心が、世界で最も低い国民とされた。かつての日本企業が強かった時のように、一人でも忠誠心の高い人を多く集められなければ、企業は崩壊する。
最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。
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投稿者 :堀田信弘: 2008年8月 9日 01:14
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