私は、今から十年以上も前、ある管理職研修というのを受けた。
その研修で言われたことが、先日、十年経ってよみがえって来た。
それは、"0.2秒の返事"というものである。
良い返事は「短く、早く、大きく」が原則である。その研修では、とにかく早く短い返事を心がけることという内容であった。
なぜ、十年前の研修がよみがえったというと、とても良い返事をする社員がいたからである。たった2文字の「はい」という単語なのに、これほどまで素晴らしい返事を聞いたのは、初めてに近い。
今日の社内朝礼ブログでは、その内容を書いた。その返事をする彼女は、先週、ベトナムからやってきたばかりの日本語が片言な女性社員である。
彼女の返事は、まさに0.2秒の「はいっ!」というトーンの高い明るい口調の返事である。聞いたほうまでもプラス思考にしてしまうその威力には驚く。「はい」ではなく「はいっ!」である。
挨拶と返事は大切だと知っていても、返事については正直言って忘れていた。それを思い出させてくれた彼女には感謝である。
その彼女は、私が受けた管理職研修のことも、0.2秒の返事が良いことも知らないはずである。恐らく、自分自身でも良い返事をしている意識はないのかも知れない。
では、なぜそんなに素晴らしい返事ができるのか、私は考え込んでしまった。
私は先週、成田空港に彼女を迎えに言った。
彼女は、日本に来るのはもちろんのこと、飛行機に乗るのも生まれて初めてであった。
私は、彼女を待つ間、入国審査など相当に緊張するだろうと考えていた。私の顔を見た瞬間、ほっとして相当に嬉しそうな顔をするだろうなと勝手に予想していた。
そして、彼女が現れた。
私の予想に反し、平然とした顔をしている。ニコリとしたが、それは私にではなく、一緒に歩いて来た隣にいる男性にである。
その男性は、私に握手を求めて来た。そして「ありがとうございました」とたどたどしい日本語で言って来る。
私は「誰?」と彼女に聞くと、飛行機で偶々一緒になったカンボジア人であるという。
私は、ベトナムで彼女と接している時は、おとなしくて、控えめで弱々しい印象と持っていた。
ところが、あの一瞬の姿を見る限り、彼女はもっと前向きで、それでいて芯の強い女性のように思えた。
彼女は、一見弱そうに見えるが、物事を前向きに捉えるプラス思考の持ち主のようである。
私は、ベトナムでも何度も話をしているが、正直言って、日本で再開するまで彼女の返事の良さには気がつかなかった。
彼女は、日本に来るという思い切った決断をした後に、何もかもが初めての出来事をクリアーしたことで、何かが吹っ切れたのかも知れない。
改めて返事のことを考えると、プラス思考だから良い返事になり、良い返事をするからプラス思考を保てるようだと思えて来た。
誰でも悲しい時や、内向きの時には良い返事も出来ないであろう。しかし、彼女は、これから始まる初めての地での不安な気持ちを、「はいっ!」と心をスイッチを切り替えるかのようにしているようである。
改めて0.2秒の「はいっ!」という返事が自分にも、周囲の人も良い影響を与えるものだということを痛感させられた。本当に「はいっ!」という返事は素晴らしい。
最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。
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投稿者 :堀田信弘: 2008年6月16日 06:18
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