リーダーは実名である。それは、リーダーは立場が強いからである。そのリーダーに堂々と意見を言えるようにするために、リーダーが同等に実名を求めるのは、卑怯なことである。弱いリーダーだ。
隠された真実を引き出すのには、社内の電子会議室のような場面でも、匿名性は有効的である。
ただ、この匿名志向の日本は、世界の常識ではない。匿名を受け入れる日本の常識が、世界の常識ではないことは知っておく必要がある。
匿名志向の強い日本は、ネットいじめに代表されるように社会的にも病んでいる。世界で最も多い自殺者、世界で類を見ない引きこもり、親が子を殺し、子が親を殺す世界が震撼する事件が起こる。
日本の社会は、様々なストレスを生み、将来に不安や不満を感じ、病んで行った。この社会性と同じ社会性のひとつである匿名志向の強さは、必ずしも因果関係があるものではないであろう。
だがしかし、この陰湿で、胆略的な事象そのものは、限りなく似ている。
世界の常識でないことが、我々は何も知らずに常識として、すんなりと受け入れている。
そして、少子高齢化、経済力が低下し、国が衰退して行っていることに、国民は暴れることも吠えることもしない。
会社が衰退し、冷遇となれば、従業員は立ち上がるはずだ。実名も匿名もない。
私は、まだまだ弱いリーダーだ。
リーダーは立場が強いからだという理由で、そのリーダーに堂々と意見を言えるようにするために、リーダーが同等に実名を求めるのは、卑怯なことだと言った。そして、匿名を認めた。
匿名なら意見が言いやすいだろうと環境を用意した。しかし、それは、同時に実名で言うという勇気を簡単に捨てさせる環境を用意したことになる。
私は、世界では珍しい匿名志向の強い日本という国の風土を形成するための、力を貸したことになる。世界の常識のように、意見があるなら堂々と実名を名乗るという力強さを否定した訳だ。だから、私は、弱いリーダーである。
このことは、多いに反省すべき点である。
しかし、私は、『日本の匿名志向』について、匿名という行為が、社会や組織を病み、やがて体質が弱くなることを最も言いたい。日本がどうであれ、わが社には最も理解してほしいことだ。
アメリカに、日本の2チャンネルに似た電子掲示板「スラッシュドット(slashdot)」というのがある。
日本の2チャンネルでは、匿名で投稿すると「名無しさん」とさん付けで実名やニックネームと同等に扱われる。あたかも「名無しさん」という名前を持った人格のようにも思え、安易に簡単に利用できる。
しかし、アメリカのスラッシュドットでは、匿名で投稿するためには、”匿名の臆病者”という意味のAnonymous Cowardという名が使われる。しかも、”匿名の臆病者”は、連続発言ができないように制限されている。さらに、モデレーションシステムというスコアリングがあって、”匿名の臆病者”が発言するコメントは他のコメントよりも低い扱いとなって、そのコメントに対し他の読者が「公正・不公正」を評価できるようにもなっている。
匿名は許すが、それは臆病者であり、臆病者の発言は、信憑性も低く、議論の価値も低い扱いとされているのである。
日本では、匿名の発言を、臆病病の発言と言うと、勇気がない人だっているだろうと反発する声が殺到するだろう。
殺到するから匿名志向が強くなる。匿名が体勢を占めるようになるから、真の意見と事実無根や誹謗中傷が混在するようになる。そして、何よりも怖いのは、勇気を持って実名で発言した人とそうでない人との差がなくなることだ。さらに言えば、実名の人は、売名行為とまで言われ、多数の匿名派に少数派が抹殺される。
わが社は、自由に意見の言える会社にしたい。しかも、もっとしたいのは、意見を言うことよりも、実行する勇気を持つ強い会社である。ただ意見を言えば良い会社など求めていない。どうしたら良い会社になるか、そして、どのようにしてその課題に皆で取り組むことができる会社になるかということである。
私は、匿名でも意見が言える環境を社内に用意した。しかし、実名で言う人と匿名の臆病者は差別することは求めて行く。社員が反発しても、匿名は臆病者であることは理解させていくつもりである。
そして、ついに昨日、一人の社員が実名で投稿してきた。私は、そのような人を増やしたい。そして、私は、臆病者にはなりたくない。
それは、私が社員を不幸にしないために、強い会社にするためだ。社員のためだからである。
だから私は、臆病者にはなりたくない。そして、社員も臆病者にしたくない。
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投稿者 :堀田信弘: 2008年5月 2日 06:10
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