中小企業の経営者は、木も見て森も見るのが責務である。木を見れない人が森を見ることができるはずもない。中小企業のような小さなな組織で、森を見て、木を見なくても良いはずがない。
『森を見て木を見ず』の中で、中小企業の経営者は、管理者でもあると書いた。管理者である以上、現場の細部まで知り尽くしていることが重要だ。作業者の誰よりも、細かく注意深く管理し、業務がスムーズに遂行できるようにすることが重要なのである。
私は、以前『リーダーと指導者の違い』の中で、『リーダーは、集団を率いる指導者なのである』と書いた。
経営者は、管理者であり、リーダーでもある。組織を率いる指導者なのである。だから、作業者ではない。
管理者として、作業者の作業内容を細部まで把握し、業務の遂行を管理する。そして、経営者として、コストを意識し、顧客満足度を高めるための方策を考え、さらにそれを実現するための組織を構築する。
それが、中小企業の管理者+経営者の姿なのである。だが、作業者ではない。
誰よりも細かく管理し、状況を把握するの仕事だが、作業者ではない。
作業者ではない。
木も見て森を見るのが仕事だ。それはあくまでも細部を見渡し、その上で大局的な判断をすることである。作業者ではない。
枝を見るのは作業者の仕事だ。
管理者として、誰よりも細かく全体の状況を把握することは重要だ。しかし、細かい仕事をするのは、作業者の仕事である。
経営者の中に、細かい人がいる。
経営者同士で、提携や契約を前提としたビジネスの話をする場合、経営者が行うことは判断であり、そして自ら決定することである。もちろん、契約に際し、リスクヘッジの観点から細かい点に留意する必要はある。しかし、私が言う細かい人とは、そのことに終始することである。
終始すれば、相手はどう思うか。損して得を取ることができない人と思われることもあるだろう。あるいは、細かいことばかり気にして大局的な判断が出来ない人と思われることもあるだろう。そして、何よりも、そのリスクヘッジばかりの態度に、Win-Winの関係は望めないと考えるのではないだろうか。
リスクヘッジをするなとは言わない。その仕事に大きなリスクの匂いを感じたら、細かいことを聞かずやめると判断すれば良い。小さなリスクを取り去り、小さなリターンを求める姿を見て、相手は、ビジネスの前に経営者として付き合おうと思わないだろう。
話の仕方、メールの内容、至る所に細か過ぎるくらいのうっとうさを感じる場合がある。玉が小さいと感じる。肝っ玉が小さい、それでは組織を率いるリーダーではない。組織の代表として、親分として力強い交渉を社員は望んでいるはずである。
それができないのは、経営者が作業者化することが原因である。指示できないから、自分で行う。育てる力がないから、指示できる人がいない。採用する器量がないから、経営者兼作業者のままに安住してしまう。
有能か否かは別にして、結果として大きな事業を成し遂げた人と出会うと、やはり人物的にも大きく感じる。大きいというのは、器が大きく大局的な視点を持っているということである。細かい話はしない。過去や現在より、未来を語る。
そういう人物だから成功したのか、あるいは事業を大きくできたらそうなったのかは判らない。どちらでも良いが、大きい人である。
小さい人だから成功しないのか、成功しないから小さいのか知らない。どちらでも良いが、小さい人と話をしたいと思う人は、それより小さい人である。
私は、相当に細かいほうである。だが、私は、細かいことを口にしたくないと。それは、細かい人は好きでないから。
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投稿者 :堀田信弘: 2008年3月 1日 06:03
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