バングラデシュの首都ダッカにいる。昨年11月に続き二度目の訪問である。世界一の人口密度が高いバングラデシュは、これから益々世界が注目するのは間違いない。
バングラデシュ共和国は、イギリスの東インド会社に支配された。宗教上の問題から、ヒンドゥー教のインドとイスラム教のパキスタンに分離独立した。パキスタンは、インドを挟んで東西に別れ、西パキスタンが現在のパキスタン、東パキスタンが現在のバングラデシュである。
人口の多さと、人口密度の高さ、限られた土地面積は、日本がかつてそうであったように、国を発展させる重要な条件を満たしている。
今回の目的は、バングラデシュ・ソフトウェア・情報サービス協会(BASIS)主催によるITソフトウェアの国際見本市(BASIS SOFT EXPO2008)に出展するためである。
日本からの出展は7社。その内、5社は弊社関連会社及びイージョブゴーの会員企業である。JETROの計らいにより、7社のためにジャパンパビリオンという特別なブースを用意して頂いた。
BASIS SOFT EXPO2008は、BASISが年に1回主催するバングラデシュ最大のITソフトウェア国際見本市。近年、バングラデシュでは、隣国インドの影響もあって、優秀な IT技術者を積極的に育成し、輩出することにより、ITソフト産業は急激な成艮を遂げている。
日本との取引はまだ少ないが、パートナーカントリーとなっているデンマークのIT企業を中心に、欧米からの関心は高い。
このような状況を見ると、いつも日本は松下産業的だと感じる。それは、2番手戦術である。新興市場の開拓は、植民地政策があった時代からの流れからか、いつも欧米が先行する。
アジアでは、華僑を中心とした中国が一番早い。当然人口が多いから、外国人が集積する街(チャイナタウン)を形成するのも一番早い。そして、次に来るのは、韓国だ。
韓国は、人口比で比べれば、圧倒的に断トツの一位であろう。日本の1/3程度の国が、これほどまでに世界にいるとは不思議でならない。韓国の特徴は、個人の進出である。
飲食店などや小規模な小売業など、個人が中心にやってくる。韓国国内マーケットを悲観してか、その勢いと、海外市場に対する意識は強烈だ。
そして、遅れてやってくるのが日本だ。松下の2番手戦術と言ったが、正確には3番手か4番手である。
日本の特徴は、企業の進出である。企業の進出だから、腰が重く、スピード感がない。しかし、進出するとなったら、一気呵成に行う。大規模で大胆で、スタート直後から一気にアクセルを踏んで、4番手から1番手になろうと加速する。
しかも、進出する場所は、決まって中心街である。最も賑やかで最も土地の値段が高いところに、ビルを建て、日本企業を集積させる。それまでそこにいたコリアタウンの人々は、そのから追い出され、あっという間に日本人街ができる。チャイナタウンは、遥か郊外に移る。
ここバングラデシュでは、日本企業、中でもIT関連企業の進出は皆無と言って良いだろう。
スロースターターである。日本人の気質を考えると、開拓という言葉は苦手なのであろう。しかし、もはや待ったはない。少子高齢化、人口減少、国内市場規模の縮小など、日本を取り巻く環境は、一気に風船が萎むように小さくなっている。
多くの日本人が海外に行き、多くの外国人が日本に来るような政策をしなければ、衰退は免れない。
それをやってのけた国が、かつてこのバングラデシュを植民地にしたイギリスである。
EU各国からの外国人を大量に受け入れ、移民も認めた。その結果、統廃合、廃止を考えていた小学校の1/4以上に移民者の子供たちが通うようになり、再び国は成長の道を歩み始めた。
国内が好調に転換すると、イギリス人は揃って海外に出かけるようになった。中でも、最大の移民を受け入れているポーランドには、大規模な工場を建設した。昨年夏、私が訪れたポーランドは、これまでにないGDPの伸びを経験した。
これを労働循環という。ホワイトカラーを中心とした有能な人材がイギリスにやってくる。イギリスは安くて良質な人材を活用できる。移民を受け入れれば人口が増え、内需が拡大する。出稼ぎにきたポーランド人は、本国に送金する。送金されたお金は、ポーランド国内の賃金に何倍もになる。
残った家族は、これまでより良い生活ができるようになる。そして、ポーランドも景気が良くなり、イギリス製の製品を作る向上が生まれるという訳である。
ここバングデシュにいると、日本がイギリスのようになるのには、20年はかかるのではと不安になる。日本はアジアの一員でありながら、アジアの多くの国の輸出先は、日本を遥かに引き離して欧米の国となっている。しかも、ここバングラデシュは、欧米人が困らない英語圏である。
日本は、20年後にイギリスのように復活できるか、あるいは20年も待たずにアジアのどこかの国の属国となるか、アジアで最も小さく、最も経済が悪化する小国となるであろう。
昨日は、日本企業が珍しさから、Islamic Televisionとチャンネル1という二つの有名なテレビ局による私のインタビューが、ニュースのヘッドラインで放映された。
それ位、ここの日本企業に対する関心は高い。
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投稿者 :堀田信弘: 2008年2月17日 06:52
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