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リーダーについて  「活・喝・勝」


揺れる心

リーダーが揺れると、組織はどうなるか。不安となり、やがて不満となる。

私は、コロコロと揺れる人は、嫌いだ。

リーダーなら、様々な方法や意見に耳を傾け、その上で考え抜いて決断を下す。私も、社内の中では、誰よりも多くのことを考えるていると自負している。考えに考えに抜いて、決定しているつもりである。

しかし、部下の助言は、リーダーの心を揺れ動かす。

部下が「このような方法がベターかと思います」と進言してくる。私は、「想定されていないことが起きたら、その方法で問題ないか」と尋ねる。部下は、「問題ないと思います」と答え、私は、「そうか、それならそうしよう。他の役員の意見も聞いて決定しよう」となる。

翌日。他の役員たちは、「それでOKです」と返信がある。私は、「良し、この案で決めよう」と指示を出す。

翌日。一人の役員が、「実は、知人からこのような話を聞きました。止めたほうが良いと言っています」と来る。

私は、三つの思いが頭を過ぎる。

ひとつは、「そんなことは想定済みだ。他人から言われて変えるようなつもりはない」と思う。

もうひとつは、「お前は、そんなことも想定できずに、俺にOKですと進言したのか」と思う。

最後は、「お前は、一応リスクを伝えたから、自分の責任ではなく、後は俺の責任で決めるなら決めろと言うのか」と思う。

何れにしても、皆が賛成して、私が決定したことに、揺さぶりをかけるつもりかと怒りと悲しみと、何よりも虚しさで一杯になる。部下とはそうものかと自分に言い聞かせるも、やり切れない。

こんな部下がいたら、リーダーは幸せだ。

リーダーが「私は、色々考えたが、どれもこれも一長一短あって、決めかねる」と揺れる気持ちを告げる。すると部下が「私は、色々な案から様々なリスクとメリットを比較した結果、やはり最初の案で行くべきだと思います。是非、この案で私にやらせてくれませんか」と部下がリーダーを説得する。

こんな関係になりたいものだ。

実は私は、自分で言うのも変だが、かつてはこのような自慢の部下だった。リーダーに決断を促すための材料を集め、迷う上司を何度も何度も説得した。

そんな部下だったから、その当時は、優柔不断に見えるリーダーではいけないと考えていた。

しかし、今、そのような部下がほしいと思う。

私は、コロコロと揺れる人は、嫌いだ。

しかし、私も、その嫌いな揺れる心を持っている。だからこそ、迷い、惑わされ、怒り、悲しみ、虚しさを感じてしまうのだ。私自身が揺れるから、揺れる人を見ると、嫌になる。

私は、誰よりも多くのことを考えるていると自負しているが、それは、それだけ迷っているからである。小心者の怖がりなのである。頭の中は、リスクヘッジで一杯である。

リスクを考えると、マイナス思考の塊になる。眠れない日々が続く。それでも考える。しかし、考え迷い、悩む姿は誰にも見せられない。リーダーが揺れると、組織はどうなるか。不安となり、やがて不満となるからである。

私の一日の半分は、リーダーを演じきり、残りの半分は、演じるための材料探しに翻弄する。ある人は、私を強いと感じる。タフで、決断が早く、大胆だと思っている。

ほとんどのリーダーは、私と同じではないだろうか。アメリカの大統領でも、独裁者のヒットラーでも、映画を見ると、揺れる心が描かれている。

揺れる心。これは、リーダーの宿命なのかも知れない。

誤った判断をしていけないと考えるが、正しい答えなど落ちていやしない。結果だけがすべてを物語るのみである。

結果が悪ければ、心が揺れようが揺れまいが、決断に誤りがあったということである。そんなことを知り尽くしているから、リーダーの心は揺れるのだ。

揺れたくないが、揺れてしまう。正しい結果を出そうとして。だから苦しい。

最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。

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投稿者 :堀田信弘: 2008年2月15日 07:51




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