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経営者について  「活・喝・勝」


やってあげられないこと

30代から40代は、仕事にプライベートに忙しい年代である。

私の場合、3人の子供が通う学校が異なるため、学校行事も3倍ある。妻も教師をしている関係で、同じ月に運動会が4回もあったり、あるいは自分の子供の運動会には出られなかったりする。

こんなことは、多かれ少なかれ、誰もが経験することであろう。仕事において最も充実するこの年代には、様々な出来事や試練も訪れる。親が倒れたり、子供が病気になったり、あるいは妻が育児ノイローゼになってしまうこともある。

私もそのど真ん中のいる年代ある。だから、仕事と家庭の両立について、多くの社員が悩んでいることだと想像できる。私も同じ経験を数多くしているので、是非、この時期を乗り切ってほしいと願っている。

しかし、経営者の立場で考えれば、プライベートで何が起ころうと、仕事に支障を来たすようでは困る。社員が、仕事に集中できないような状況は、会社にとって大きな痛手でなのだ。

経営者としては、そのようなリスクを考え、一部の個人に仕事やノウハウが集中しないようにすることも重要だ。できるだけチームで運営できるようにし、他のメンバでリカバリできるような体制作りや取り組みが必要であろう。

私が経営者として、社員にやってあげられることは、家庭を大切にさせてあげることである。社員ができるだけ家庭のことにも関われるような仕組み作りは、我々経営者の責務だと思う。

なぜなら、私がその社員に代わって家庭の面倒を見ることなどできないからである。私が社員にやってあげられない以上、私は、社員にやってあげられることしか出来ない。

家庭が上手く行かなければ、仕事も上手く行かない。仕事が上手く行くようにするのには、家庭に関われる環境を用意してあげることは、経営上のメリットでもある。

私は、経営者とは社員を自分の家族の一員と同じように思えないようではダメだと思っている。

このように表現すると、綺麗事に聞こえるかも知れないが、私の意図は、綺麗事ではない。

社員を自分の家族の一員と思うというのは、ひとつには、冒頭で述べた、社員が家庭に関われるような環境を考えると言うことである。しかし、それだけでない。

家族の一員と思うと言うことは、自分の家族と社員が同じ重さになるということである。つまり、経営者は、社員には家庭を大切にさせ、その一方で、経営者は自分の家族よりも社員を大切にしなければならない場合があるということである。

社員は、仕事と家庭の両立で悩むが、経営者の悩みは、仕事と家庭と社員の両立で悩む。経営者とは、そのような存在である。

例えば、重要なお客さまのお葬式と、社員の結婚式が重なり、さらにそんな忙しい日に自分の子供が病気になったりする。結婚式は、あらかじめ予定が把握できているが、お葬式や病気は、予想ができないから、重なることはあり得る。

この事象は、当然忙しい経営者ほど起こりえる。それでも全て両立することを考え、あるいは、自分の家庭は犠牲にしなければならないことも多い。

結婚式の主賓としてスピーチを頼まれていたら、その代役は直ぐには見つからない。だから、経営者は、自分でしかできないことを優先してやらなければならないのだ。

私は、経営者とは、自分でなくても出来ることを自分がやって、自分でしか出来ないことを人に頼むようでは、経営者として失格だと思っている。

やってあげられることと、やってあげられないこと、この二つを区別して、やってあげられることをするしかないのである。

経営者も、仕事と家庭の両立で悩む。それは、経営者とは、家庭をも犠牲にしなければならないことを、自分の家族に理解してもらわなければならないからである。

社員が家庭のことで悩んでいると、仕事に専念できないのと同様に、経営者は、家族が経営者のことを理解してもらえないと経営に専念できないのである。

経営者は、経営に専念できる環境を自ら作らなければならない。それは、社員と違って誰も作ってくれないから。

私は、経営者だからと言って、自分の家庭よりも会社や社員を愛せと言っているのではない。誰だって、自分の家族のほうが好きに決まっている。しかし、経営者は、家庭を犠牲に出来なくてはいけないのだ。家庭を犠牲にすることと、家庭を愛さないこととは全く意味が違う。

経営者だって、体はひとつしかない。あれもこれもは同時に出来ない。やってあげられることしか出来ないのだ。やってあげられる順番に。ただそれだけ。

最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。

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投稿者 :堀田信弘: 2008年1月18日 07:09




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