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求める人材  「活・喝・勝」


自分の見方と他人の見方

鶴の恩返しでは、「絶対に覗かないで」と約束をしたにも関わらず、おじいさんとおばあさんはその約束を破ってしまう。約束を破られた鶴は、姿をみられたからにはもうここにはいられませんと言って空に行ってしまう。

とても、大切な娘との約束なのに、なぜ人間は、約束を破ってしったのだろう。

ある心理カウンセラーの本に、「人間は、肯定的な表現には肯定的に行動し、否定的な表現には否定的に行動する」という意味のことが書いてあった。

この論によれば、「○○しましょう」という約束は、破られ難く、「○○しないで」と言われると破りたくなるということである。

また、この論とは別に、「人間とは天邪鬼(あまのじゃく)な心理が働く」というものもある。その論でも「○○しないでね」と言われると破りたくなるというのは、一緒だ。少し違うのは、欲求に対する天邪鬼な心理である。

例えば、商売の場面で、店員が欲求をちらつかせ、「多くお金を払って下さい」と迫られると、嫌な気分になるのは当然であろう。逆に、「今回はほんの少しで結構です」と言われると、何となく得したような気が起き、サービスに対する満足が高ければもう少し多く払っても良いという気分になるものである。

この現象は、相手の欲求に対して顕著化する。ちなみに、仏教では、天邪鬼とは人間の煩悩の象徴だそうである。

それは、子供達の遊ぶ場面を見れば一目瞭然だ。「見せて」と言われると見せないように隠し、「ちょうだい」というと「嫌だ」と言う。「もういらない」というものには誰も欲しがらないし、「あげる」と言われて喜ばない。

実は、この子供の頃の天邪鬼的な心理現象は、大人になっても対して変わらない。

会社での出来事。

同じ社内でも、「給料を一杯あげて下さい」と言ってくる社員と、言ってこない社員がいる。これは、言ってこない社員の評価が高く、言ってくる社員の評価が低いからではないという前提にたっての話である。仮に、全く同じ評価で、全く同じ給与の人の場合と考えれば判りやすい。しかも、入社して間もない若い社員で、家族構成など特別に生活スタイルが異なるものでないものとしよう。

何十年も上司を経験していると、このような場面は何度も出くわす。

入社して1年目の査定の際に、「給与を上げて下さい」と短刀直入に言ってくる。私の経験から言えば、概してこのタイプは、自己アピールが上手い半面、以外に仕事が出来ていないものが多い。評価が低いと感じているから、評価を求め、給与をあげろと”上司を脅す” のだ。

「辞めるぞ」との顔つきで脅せば、上司が屈してしまうと思っているのである。子供の遊び場で言えば、「貸してあげない」と言われて、無理やり力ずくで奪い取って来たタイプである。

一方、仕事ができるタイプで、適正な評価がされているものは、上司に文句を言う理由がない。しかも、このタイプの中には、「自分はこのような点が至らなかった」と自己反省し、「これからこの点を見直して頑張ります」と謙虚なものさえいる。

こう言われてしまうと、上司は、もっと評価したくなるのが、人間の性である。

天邪鬼的な心理は、押されれば引くし、引かれれば押すしと実に面白いものである。

私は、これまでに何百人もの部下を見てきたが、評価を不服として給与UPを求める人は、仕事ができるとか出来ないとか関係なく、はっきり言って好きじゃない。好きじゃないのは、気持ちだから、何の理屈もない。理屈がないものは、解決する方法がないのだどうしようもない。

だって、「私の仕事ぶりを認めて好きになって」と言われても、好きじゃないのは感情だから変えられないのである。

上司が、好きじゃないとどうなるか。好きじゃないのだから、嫌いだということは、ここにいてほしくないとなるのは何ら不自然な論理ではないだろう。つまり、いなくても良い、辞めても良いという気持ちが起きるのは、私だけが特別な人間でもなく、誰でも起こる自然な感情、考えではないか。

ゴマを擦れとは言わない。イエスマンになれということを言っているのではない。人間と人間である以上、上司と部下でも、男女の間でも、同じように心理というのは発生することを十分理解する必要がある。

部下からすれば、上司に嫌われるより好かれたほうが良いし、上司だって、部下から嫌われて統制が取れなくなるより、好かれたほうが仕事が順調に行く。私は、何も一方的に上司の顔色を見て接しろというのではなく、お互いが好かれたいという気持ちがなければ、人間関係が上手く行かないのだということである。

感情という世界では、好きだと言われて嫌いと感じたり、嫌いだと言われて好きになるような天邪鬼心理は、起こりにくい。好きだと言われれば嬉しいし、嫌いだと言われれば嫌な思いをするのが自然なのである。

人間の心理とは、実に面白いものである。

社長であれば、有能で信頼できて、辞めてほしくないと思う部下には、多くの給与を払いたいと思うのは当然である。一円でも多く払うべきだし、そのような気持ちがない社長の会社なら、あえてそんな社長と交渉をして嫌な思いをするよりも、さっさと他の会社に行ったほうが幸せだと思う。

社長が信頼できないのなら、喧嘩してまでその会社にいて、気持ち良く働けるはずがないであろう。そんなに自分が有能で、社長が認めてくれないと思うなら、認めてくれるところに移ったほうが良い。

まず、社長を見極めてみたらよい。

しかし、一方で、そんなに自分が有能なのか自問自答したほうが良いだろう。大概は、うぬぼれが多いことも知っていないと、辞めて移った先でも同じことになるから。

以外に、評価というのは、そんなに他に行っても変わらないのも現実なんだ。

最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。

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投稿者 :堀田信弘: 2007年11月 7日 04:07




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