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若者について  「活・喝・勝」


若年寄りの増殖

右に出る者はない、そう言われることから、右は、左より優れているのだろうか。ある説では、人間は、左利きより右利きのほうが圧倒的に多いから、右は正統派を表すとも言われてきた。だから、本流を示す保守のことを右と言い、それに対決する少数の革新派を左と言うのだろうか。

人は、年齢と共に、あるいは家族が出来たりして、次第に作り上げる、生み出そうとする意欲より、出来上がった現在を守ろうとする意思が働くものである。だから、一般的には、失うものがない若い人のほうが、革新的であり、成果を守ろうとする年配のほうが保守的であると言えよう。

だから、私は、若い経営者と会うのが好きだ。それは、斬新であり、かつ恐れを知らない勢いを持っているからである。

しかし、革新的、保守的というのは、その人の生き方であり、必ずしも若い、年配と言った年齢で図れるものではない。政治の世界でも、経済の世界でも、権力や既成概念に立ち向かおうとする人は、常に本流に不満がある精神的に若い人だ。

若いとは、年齢のことではない。精神的に若かなければ、年齢なんて何ら意味を持たない。”斬新であり、かつ恐れを知らない勢い”がなければ、私は、若さを感じない。

ところで、なぜ、若という字は、草冠に右と書くのだろうか。若者を象徴する”斬新であり、かつ恐れを知らない勢い”のある革新的な存在ならば、草冠に左でも良いようなものだが、そんな漢字はない。

なぜ、若という字が草冠に右と書くのか、その由来は知らないが、私の解釈では、右に出る者はないから来ているのではと勝手に思っている。そう、私は、”斬新であり、かつ恐れを知らない勢い”がある人は、どんなに経験が浅くても、その人の右には出られないと考える。

”斬新であり、かつ恐れを知らない勢い”がある人、こんな人は年齢に関係なく、素晴らしいと感じる。しかし、草冠に右と書く若い人が、若々しく無かったら、どんなに悲しいことだろうか。

最近、そのような”年齢の”若い経営者と話すことが多いように感じる。自分を保身し、失うことを恐れ、リスクヘッジをする年老いた考えを持つ若き経営者。何の魅力もない。

こんな社長がいた。

彼は、「自分の右腕になってくれるような人がほしい。そして、一緒に経営に参加してほしい」と言う。

私は、彼にこう言った。「それなら、どんどん若手を抜擢して、取締役にしたり、あるいは外部から採用してはどうか」と。

その彼の答えに唖然とした。「まだ若くて無理。経営的な感覚は持ってほしいけど、裏切られるかも知れないから取締役には絶対できない」と言う。

30歳を前にした経営者の言葉ではない。自分は、何歳で社長になったというのだ。そのような保守的で、かつ人を信じられない、あるいは上からしかものを見ることができない人間に、誰がついて行くものか。

「自分の右腕になってくれるような人がほしい」と言いながら、自分の座を脅かすほどの有能な人材では困り、命令口調で指揮できる自分より年下の者でなければ認めないということか。

こんな会話は、年配の人からは散々聞いてきたので驚きではないが、20代の若手社長が保身するような発言にはがっかりした。

草冠に古いと書いて、苦いと読む。まさに、若いのではなく、苦い人だ。

私は、社長を目指すならできるだけ若いほうが良いと勧めている。それは、年齢を重ねるに連れて、保守的になる可能性が秘めているからである。自分だけならまだしも、結婚して、子供ができ、そのうち親が病気になったりすれば、自ずと守りに入るのは必然的なのである。だから、そのような環境になる前に、失うことを恐れず、挑戦してほしいのだ。

それが、20代の早い時期に社長になって、使い方も判らない金ができた時、とたんにその地位や金を守ろうとするものがいる。百歩譲って、それは人間の欲望だから仕方ないとしよう。

でも、それでも、私は、「まだ若くて無理」という言葉は、若くして社長になった若い社長からは聞きたくない。さらに、「右腕になってくれるような人がほしい」と言っておきながら、内心は「裏切られるかも知れない」と自分以外は信ぜず、人を見下した裏腹の言葉を言う年老いた精神の持ち主には嫌気がさす。

私は、若い経営者と会うのが好きだ。

それは、私自身が若さを吸収できるからである。しかし、残念なことに、若い経営者の中に、若年寄りの増殖が始まっているのも事実である。

このことは、日本全体が衰退しているのことを示すものであり、同時に革新しようとする勢いを失ったために保守化しているように思う。経営で言えば、現状維持と守りに入ったら、維持どころか衰退する。攻めて攻めて、それで何とか現状維持できることを我々ベンチャーは忘れてはならない。

自分を少しでも保身する考えがある経営者では、会社は決して成長できない。自分自身を切る覚悟がなくては、自分の若さは保てない。

最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。

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投稿者 :堀田信弘: 2007年9月15日 21:43




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