地域の子供会で、花壇の草取りを行った。子供たちに余計な草を取らないと、花に栄養分が行かないで枯れてしまうことを教える。 花壇を耕し、種を植え、草を取って花を咲かす。花が枯れたら、草を取って耕す。こんなことを年に数回、子供たちと一緒に体験する。
ある女の子が「なんで花壇なんてあるの?」と父親に聞いた。
父親は、「お父さんが作った訳じゃないから知らないな」と答えた。すると、女の子は、「花壇がなければ草なんか取らなくてすむのに、 面倒くさい」と呟いた。
父親は何も答えない。
私は、「花壇がないと綺麗な花が咲かないよね?」と女の子に尋ねた。すると驚いたことに「花屋さんで買えば良いじゃん」と言ってきた。
私は唖然とした。
子供は、放っておいても大きくなる。ある親は、大きくなることを育つと勘違いしている。私は、子供は放っておいたら育たないと思う。
親が育てなければ子は、絶対に育たない。私が言う育つとは心の成長だ。花を見て綺麗だ、緑を見て爽やかだと感じるたわいのない心は、 親がそのような優しい心を持っていなければ育たないと私は確信している。
子供は親に育てられなくても、放っておいても、親の姿を見て大きくなる。大きくなったからと言って、 その子が親から学ぶものがなければ、親以上の心の持ち主になる筈もない。勿論だからと言って、今の世の中では、親が一生懸命に育ても、 子がそれに反して悲しい方向に進むことだって無論考えられる。しかし、育てようとしてもそのような結果を招くことがあるとするならば、 育てようとする気がない親であったなら、それを覆すような子が育つなんてことは恐らく起こりえないであろう。
親たちと話をすると、時々、「自分も親から何もされなかったから、自分の子は放ったらかしだ」と自慢げに話をする親がいる。 「自分も不良だったから、捕まるようなことさえしなければ何をしても良い」と言う人もいる。
そういう親に限って、その子の乱暴ぶりにあきれ返ることが多い。
私は、比較的厳しく育てられた。しかし、それに反して決して良い子にはならなかった。しかし、だからと言って、 自分も悪かったのだから、子供も悪くなっても仕方ないとは考えたくない。私のような頭の悪い親でも、その親ができる範囲で、やるべきこと、 できるだけのことをやるのは親の務めだと考えている。勿論、やるだけやって、指導方針が悪く不良になってしまったとしたら、 それは子よりも親に責任があるのであって、育てようという気持ちがない人よりはマシだと思う。
花屋で花を買えば良いことを認めると言うことは、花を人で例えたなら、育った人を見つけてくれば良いということになってしまう。
最近、企業では即戦力を求めて、中途採用が盛んであるが、咲いている花を買うような経営感覚がどこかにあるような気がしてならない。 咲いている花を買うとすれば、必ず、花が枯れれば捨ててしまうことを考えるだろう。
私は、新卒者であれ、例え中途採用者であれ、「わが社が求める社員像はこうだ」と心を育てなければ、企業には根付かないと思っている。 企業として、どのような土壌であるのかを明確に示し、お互いに了解してそこに種を入れたのなら、水や日光を与え、栄養も与えて、 立派な花が咲くようにするのが経営者の役目でなかろうか。
時には雑草が生えて、放っておけば成長を阻害し、やがて土地が荒廃してしまうだろう。育つためには根気強く世話をしてあげなければ、 黙って放ったらかしにしておいて、経営者の予想を超えるような立派な花が咲くはずもない。百歩譲って、仮に咲いたとしたら、 それは経営者の力ではなく、その花の持つ強い生命力であり、いち早くその経営者からは独立すべきである。
女の子は、土も触らずフラフラとして遊んでいた。
父親を見ると、タバコをくわえながら、友人とずっと話していた。子供の姿は、親の姿を鏡で映し出しているように見えた。そうして、 あと十年もすると成人式を向かえ、その子もやがて結婚して子供を生むことになるのだろう。私には、その生まれた子が、 花を大切にする子に育つ何て到底想像ができない。自分が親に注意されないのだから、自分が注意をする親になれるはずもない。
ほんのわずかな子供からの投げかけに、親がどう対応するかで、子供の考え方が左右される。あのとき、違った答え方をするだけで、 子供は何かを親から学ぶことができたはずだ。
企業においても、上司と部下の関係、経営者と社員の関係というのは、実に些細なことのやり取りであっても、 企業文化を育てるには大きな影響があるだろうと感じた。所詮、親であれ、子であれ、人と人との関わり合いだ。 ひとりの人間として真剣に接することしか人は育たないのである。
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投稿者 :堀田信弘: 2006年5月21日 22:57
こんばんは。はじめまして。
放っておいて育つということはまずないと私も思います。帰属意識云々、愛社精神云々、会社方針云々繰り返すだけでは同じ方向を向くことさえできません。
育てる側も育つ側も考えることはたくさんあると思いました。
投稿者 手文庫 : 2006年11月17日 00:02
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