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ビジネスについて  「活・喝・勝」


見える化

最近、ビジネスの分野で、「見える化」という言葉が盛んに使われるようになった。

「見える化」というのは、情報共有によって問題を見えるようにしようというものである。

情報共有という言葉は叫ばれて久しいが、企業経営の中で浸透させ、十分に理解されて活用されているところは極めて少ない。それは、 なぜ情報共有が必要かが経営者にも、社員にも理解されていないからだ。

一言で言えば、情報共有によって、知恵を結集し、”ビジネス戦争で勝ち残る”ためである。

昨今は、百の製品やサービスを展開する大企業より、一つの製品やサービスを展開している企業のほうが、その一つの製品・ サービス分野では、圧倒的な力を持つ時代になってきた。

中小企業には、選択と集中という大企業の経営者が悩んでいることが、初めから出来上がっているのである。さらに、 インターネットの登場で、マーケットが日本全国、世界中に広がり、中小企業でも大企業でも同じ土俵で戦うことが可能になった。

そのため、一昔前のように、マーケットの分析や製品企画を担当する企画部門や、どのようにプロモーションするか販促部門、 そして現場でどう売るかの営業部門、さらに製品の設計部門、品質管理部門など、これまでの縦割りの大企業型組織では、 それらが一体となった中小企業の小回りの良さには勝てなくなってきたのだ。

大企業になればなるほど、情報共有の大切さを声高に叫んでも、それを機能させ、見える化に持って行くのは極めて難しい。

ところが、中小企業では、小さな組織のため、縦割りではなく、元々製品別、または顧客別の組織になっているところが多い。そのため、 一つの製品に全社が一丸となって取り組むような土壌があり、グループウェアのような特別なツールを入れなくても、 顔が見えるディスカッションができ、自然に情報共有が図れる日常がある。

例えば、我が社が展開するイージョブゴーの企画は、私も含め全員で議論する。これは小さい組織だからできると言っても良いが、一応、 各担当は分かれており、日々の作業はまちまちである。これから全国のフランチャイズ展開が開始されるにあたって、 マッチング作業時に会員から寄せられた意見や要望は、「メモ」というところに書き込むルールがある。この「メモ」のお陰で、 別の担当者がその会員と連絡をするとき、既に承っている要望や意見を同じことを二回言われないようにしているのである。

これは一つの例だが、毎日の作業状況は、担当者がテキストで入力するような曖昧なものではなく、 自動的にその日の状況がまとめられ全員に届けられるようにもしている。

情報共有の大切さを一人一人が理解していると、日報のような義務的な上長への報告ではなく、 客観的でできるでけ数値に近いような形で配信され、それぞれがそれに対し、どう改善したら良いかという考えを持つようになる。 担当する自分の仕事はどうしたら向上するかだけでなく、他の人が担当する仕事についても、違った立場からの意見が言えるようになる。 それらを全員集めて議論すれば、知恵を結集できるというものである。

この仕組みは、トヨタのカイゼンで有名な「アンドン」に似ている。工場のラインで何かトラブルがあれば、直ぐに担当者は、 アンドンを鳴らす。すると、ラインが一旦止まり、上長が駆けつける。

ここで行われている重要な点は二点。まず、問題の開示を推奨し、それを担当者のやるべき責任にしていること。さらに二点目は、 発生した問題は、チームで解決し、担当者が背負うのはなくしていることだ。

これによって、問題を見える化しているのである。見える化された問題を集めると、 全体の戦略に関わるような大きな課題も見えてくる可能性がある。それをさらにチームで解決する。これこそが、情報共有し、 見える化する大きな意義なのである。

見える化できると、無駄が見える、改善が見える、弱点が見える、強みが見える、そして、知恵が見えるようになり、 そして究極は組織の一体感が見えるようになるのである。情報共有ができず、見える化ができない組織は、 言い換えれば一体感がないバラバラの組織と言って過言ではない。

上長のための日報を止め、全社員が顧客のために日々の出来事をブログで配信しはじめた会社まで現れた。 全員がどうやったらこの一つのサービスを国内唯一で、最も素晴らしいサービスになるかを考えるようにするには、見える化が必須だ。

経営者ならみな頭では判っていても、実際に見える化をできるのは強力なリーダーシップと、単純でかつ厳格なルール、 それを徹底できる風土が重要な鍵になる。これは並大抵の努力では早々にはできやしない。

最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。

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投稿者 :堀田信弘: 2006年5月 1日 08:21




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