4ヶ月前の法案が成立した翌日、私は、自民党本部で中川政調会長になぜこのような改悪を行ったのか問いただした。 その障害者自立支援法が施行されて今日で20日が経った。
障害者でなければ本当の障害者の気持ちなど判らないかも知れない。
偶々息子が障害を持っている私でも、こうして自由に仕事ができ、好きなものが食べられる健常者であるから、働ける喜びと、 働けない辛さ、働くことの意味について必ずしも正しく理解できているとは言えない。
障害者自立支援法は、当初から、働いた賃金よりも、働くために受ける費用のほうが多くなるケースがあると言われていた。
特に、授産施設と言われるような作業所で働く障害者の賃金は、1ヶ月で2万円を切る位である。それも障害の重さによっては、 必然的にできる作業量や内容が異なるため、朝から晩まで立ちっぱなしで働いても1万円にも満たない能力主義の実態がある。
障害者であるから、介護などの福祉サービスを受ける。施設に入所すれば、その受けるサービスに比例して利用者の負担が多くなる。 つまり、賃金が1万円も満たないような障害者は、3万円以上もの施設利用料を払って、仕事をさせてもらうようなことが発生する。
お金を払って、働かせてもらう世界があるのだ。働いて、働いて、お金をもらうのではなく、働くためにお金を支払うのだ。
全く在り得ない。
世の中には、病気になって働けない人もいる。一日生き伸びるために、一日何万円もの治療費を払わなければならない人もいる。私も、 障害を持つ息子のことを考えれば、働くことさえできればそれだけで十分だと思っていた。
しかし、私の息子は、実際には働くことは極めて難しい状態にある。でも、息子は、そのことを辛いということさえ理解できていない。 ある意味で、本人が自覚していないのだから、本人にとっては何ら苦痛はないだろう。
でも、自ら働きたいと考え、何とか働く環境を得られて、一生懸命に働いて、”自立”しようと考えている障害者にとって、働いて働いて、 働いてもらう以上の費用を払うことはとても辛いことだ。
もし、あなたが、朝から晩まで働いて、20万円もらって、働かせてもらうために会社に30万円を払うことなど理解できるだろうか。
それが嫌なら、働かなくても良いと言うのだろうか。
足を引きずりながら、白い杖をついて怖い思いをしながらもやっとの思いで通勤して、1円でも家の役に立ちたいと考えているのに、 働くことで余計なお金がかかるのであれば、障害者は家に閉じこもっていろと言うことなのだろうか。
私は、障害者に対して、哀れな思いを持ってほしいなどと言うつもりはない。
むしろ、このような現実から、私も含めた健常者は、この自由な環境の中で、何でもできる身体と、何でも言える口を持って、 何をすべきかを考えるべきだと思う。
働けることの意義、やり甲斐、生き甲斐の意味を噛締める必要がある。
お金をもらえるのなら、どんなことをやっても良いという生き方もあるだろう。お金を稼いで、自由に遊びたいと思うこともあるだろう。 一方、お金は安くても、何かの夢を追いたいと考える人もいるだろう。人の役に立ちたいと考える人もいるだろう。 早く仕事を切り上げてパチンコを楽しむ人もいる。皆、自由だ。
私たちはなぜ働くのだろうか。何のために働くのだろうか。それでも、働けることは幸せなことだ。しかも、 働いた分の何がしの給料が得られることは、最低限の”自立”した生活ができることを意味している。
こうして、笑ったり、怒ったりしているのが、明日の朝、交通事故にあえば、一瞬にして障害者の仲間入りになる。 昨日まで社長であった人も、上場会社のエリート社員でも、誰がいつそのような立場になるかは判らない。自分がならなくても、妻や、 子供や親が病気になれば、朝から晩まで自由に働くことさえできなくなることが全ての人に起こりえるのだ。
だからこそ、今、このとき、やれるときに思いっきりやれる仕事、悔いのない生き方、どうせ一生は一回なら、 やりたいことをやりたいように精一杯力強くやったほうが良い。
やれなくなってからでは遅いのだ。
悔いのない生き方をしたいものだ。
最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。
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投稿者 :堀田信弘: 2006年4月20日 07:33
こんにちわ。始めまして。
堀田さんの記事を噛み締め、噛み締めて読みました。
私の妹も重度の障害者、重度の記憶障害です。
妹の介護で私も外で働く事は出来ません。
家で、ほそぼそとインターネットHP作成の仕事をしながらなんとか食いつないでいるといった状況で「自立支援法」が成立しました。
もう文句を言う力もありません。
でも堀田さんの記事は拝見させていただくだけで少し力ずけていただいた気がします。
有難うございました。
投稿者 里美 : 2006年12月29日 14:51
私のエントリーでも書かせていただきましたが、療育の充実で障害者が働くことができるような何かを身につけられたら、障害者も幸せ、周囲も幸せ、で、誰も損をしない、win-winの投資が療育なのだということを少しでも多くの人に知っていただきたいと感じる日々です。
投稿者 takeyan : 2006年11月17日 10:30
障害者の問題は多くの人の知らない事実だと思います。
これからもブログでの啓蒙を期待してます。
そしてやはり、できる人ができることを始める事だと思います。
助けることができる人が助ける。
簡単なことですが、多くの人は口だけで何もしません。
投稿者 inu : 2006年4月20日 10:36
人間の自立と言う観点を、経済力にのみ焦点を当てて考える事から、人を自立させない社会が生まれているようにも思います。
肉体的な弱さを抱えた人たちが経済的に苦しい立場に置かれるのは、精神的な自立が遅れている社会には比較的ありがちな構図ではないでしょうか。
弱い立場にあるものを守る事の出来る力を持つ人たちが少ない社会のあり方は、成熟した社会であるとはいえません。
小泉さんが能力による貧富格差は当然であるというような事を口にしていましたが、大変幼稚な考えです。
社会の成熟を目指したいものです。
投稿者 MasumiK : 2006年4月20日 09:51
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