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組織について  「活・喝・勝」


嫌われたくない症候群

人間には、好きという感情も起きれば嫌いという感情も起きる。どんなに正論であっても、感情的に納得できないということはよくあることだ。理屈は理解してもやり方が気に食わないことは多々ある。

会社の中の部下と上司の関係であれば、たった何日か前に「その方向で行け」と指示を受けたはずなのに、突然「やっぱりこちらに方向にしてくれ」と方針が変わったりすることがある。当然、指示に従って動いていた部下は誰でも納得いかないはずだ。

このようなことは、経営者からすると、むしろ自然なことなのだが、現場からすると上の考えが優柔不断だとか、考えが浅はかだと移ったりする。経営は生き物だから、好む好まざるに関わらず、対外的な要因も含め、日々動いているから、一瞬のうちに判断が変わることがある。あるいは、その上司の考えが甘いために、トップに否決されたため、部下には方針変更に移ることだってある。

組織の一員として考えておかねばならないことは、決定されるまでは色々な提案や意見を言うべきで、判断するための材料をできるだけ多く上に上げる必要がある。報告などが上手くいっている組織では、材料がスムーズに上がり、指示命令は、水が上から下に流れるようにスムーズに流れる。

意見は決定される前に言う。決定されてからは、どんなに納得できなくても理解して従うのが強い組織になるのは言うまでもない。

現場からの判断材料が中途半端であったりすれば、判断ミスを犯し、急遽方針を変更することはむしろ自然な姿なのである。例えそうであっても水が上から下に流れる組織であれば、何ら問題ない。

リーダーとしての資質を持った上司の場合、上からの方針変更に対する背景や目的を説明し、部下に理解を求めるだろう。むろん、それまで取り組んだ仕事が無駄になるとなれば、全員が感情的には納得できないことは承知のうえでだ。このようなリーダーの場合には、3割の理解者が得られた時点で、「行ける」と判断する。7割の者が反対感情を持っていても3割いれば組織を動かせることを知っているからだ。

さらに、スピード感を持ったリーダーシップを考えれば、全員を納得させることなど不可能であり、3割の者が結果として残りを引っ張ったほうが早いからである。このような組織では、水は上から下に流れる。もっと言えば、下が上にあげるべき情報が足りなかったことを理解できる組織になっているのだ。

一方、別の上司は、感情的な側面から部下を納得させようとするものがいる。今、巷で話題の「嫌われたくない症候群」のタイプだ。このような上司は、部下の気持ちを聞き、「そうだな、俺もそう思うよ、でも頼むよ」と部下を個別に口説く。部下の3割が「どうしても納得できない」と判断した時点で、トップに「現場は反対者が多いので、この方針では上手く行かない」と直談判する。

トップが有能なリーダーであれば、「それでも良いから進めろ」と言うはずだが、「嫌われたくない症候群」タイプの上司を任命してトップが「嫌われたくない症候群」であったなら、「そうか、そんなに反対するなら、前の方針に戻そう」となる。そして、また方針変更だ。もはや、このような組織では、水が上からは流れないばかりか、下から逆流している。

これが、対顧客であったならどうなるだろうか。社長と刺しで合意が得られたビジネスプランが、社長が自社に戻って部下の意見を聞いて反対者ばかりだったからと行って、顧客に「やっぱりなしにしよう」と言えるだろうか。信頼も何もない。

「嫌われたくない症候群」の上司は、総じて部下を叱ることができない。「叱ること」イコール「嫌われること」との認識があるからである。そもそも、会社の中の上司というのは、むしろ嫌われる覚悟がないとできない職務だ。部下の人事査定、部下の異動など、嫌われたくない気持ちでやっていたら、機会の公平、結果の公平など生めるはずもない。

「嫌われたくない症候群」の人は、当然ながら好かれる努力よりも嫌われない努力をする。その結果、嫌われないことが好かれていると勘違いする。しかし、実際には、嫌いでないかも知れないが、好きとはいえない人も多いのである。だから、以外にも好きだという人はその人の周りには集まらない。

他人から嫌われたくないという感情が強い人は、他人に対する期待が強いことが多い。他人への依存度が高く、集団の中に身を置き、八方美人になっている。そのような人が上司になると、部下をコントルールできる否かで好き嫌いの感情が生まれる。自分は、嫌われたくないと思っているのに、嫌いな人は多くもっている。そのため、話が合う部下との個別協議が多くなり、必然的に部下も同様なタイプが集まる。

何かにつけ「それは会社の方針か」と声高に叫ぶ部下と、世渡り上手で仕事のできない上司の組み合わせは、典型的な「嫌われたくない症候群」が作り上げるハーレム状態の小さな村社会となる。表面的には有機的に見えても、実際には思惑だけの嫌われたくないもの同士だから、小さな震動を与えればグラグラと崩れ去る組織の体をなしていない。

リーダーであれば、最終的には自分が責任を取る強い意志がなくてはならない。それは中間管理職のリーダーであっても同じだ。部下からの提案を自分が責任をもってトップに上げていれば、トップにその提案が否決されたのは、その上司の判断ミスだ。それを、部下と一緒になって「上が判ってくれない」と群れるようなタイプは、もはや上司の機能を果たすことはできない。あなたがそのような組織の部下ならば、一刻も早く会社を辞める判断をすべきだ。そのような状況判断ができないのなら、あなたも既に「嫌われたくない症候群」の一員になっている。

嫌われたくないよりも、好かれることに重きを置いている人の行動は、オープンであり、堂々としている。ポジティブでアグレッシプだ。私の経験からも、7割の部下に嫌われていても3割の部下から慕われている上司の組織のほうが遥かに強い。

最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。

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投稿者 :堀田信弘: 2006年1月 9日 13:20




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コメントありがとうございます


「嫌われたくない症候群」の上司は、組織としての結果として悲劇となるかもしれないと思いました。
しかし何故、
そのような方が上司になってしまうのでしょう。
終身雇用時代なら多く見かけましたが、不況のリストラなどにより、大会社ではむしろ減っている傾向にも思いました。
有能な上司とは、数回、出会いましたが、ある思い出の上司は、直感的な指示で、有無をいわさず、部下に対して、強引にプラン変更をしており、私もかなり振りまわされた思い出がありますが、その上司のどの指示結果がいずれも成功したことには驚きました。
この上司は、行動派で、私では到底、工程に間にあわない先方からの指令を相談しますと、「モノを搬入させるには、モノに関わる会社全ての社長に直接、頼みに行く事や。電話よりも直接顔を出すだけでも先方の態度が転回する」と教えられ、その業界では、知らない者がいない程の信頼感のある上司で、学ぶことの多いお気に入りの厳しい上司でした。
今思えば、、難問を全て解決させる不思議な存在です。

「タジイの気楽日記」
http://blog.livedoor.jp/ccc03271/

投稿者 タジイ : 2006年1月 9日 19:17


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