データには、プル型とプッシュ型がある。
プル型というのは、データを引き出しから取り出すように、格納されているものから情報を得るときのものである。
一方、プッシュ型というのは、データを送り出すことを言う。送信されたきたデータを判断し、必要に応じてそれぞれが蓄えたり、 何らかの反応をする。
身近なところで言えば、グループウェアとメールの違いがそうだ。IT企業においても、中々この違いが理解されない。
グループウェアは、データを格納し、情報を共有するためのプル型のツールである。各自がスケジュールを入力したり、 会議室の予約のために利用されることが多いが、それだけでなく、業務報告や、全員に情報を告知する場合にも用いられる。
自分のスケジュールをそれぞれ入れておけば、誰かが何人かと打ち合わせをしたいときに、空いているスケジュールを探せば、 打ち合わせ日程が決められる。つまり、それぞれに「いつ空いている?」とメッセージを送らなくても把握できるというもので、 あえてプル型と意識しないでもスムーズに利用できる。
ところが、掲示板などの機能を使って、業務報告や全員に情報を告知する場合には、全く同等の役目がメールでも出来てしまうので、 その違いが理解されていないケースが多い。
例えば、「これからは、○○のようなことが起きたので、××はしないこと」という通達を出すとしよう。100人に通達する場合、 その方法はメールでもグループウェアの掲示板でもどちらでも出来る。
違いは、その情報がデータとして格納されるか否かだ。メールの場合は、100人いれば、 その時にいた100人と情報共有することができるが、101人目以降のその時にいなかった人とは情報共有することができない。つまり、 101人目の人は、○○と同様なトラブルを起こす可能性があるということだ。
このように同じメッセージでもプル型とプッシュ型とでは性質が異なる。
IT企業であれば、この言葉の意味については十分知っているはずなのに、 その違いを経営戦略や営業方針に活かしきれていないことが多い。
特に営業の現場では、未だにプッシュ型の考えしか持ちえていない。同報メールを配信したり、DMを送ったり、FAXを送信したり、 テレアポをしたりと、攻めの営業スタイルと勘違いしている。
今の時代は、ただのプッシュ型営業をすると、かえって客が引いてしまう心理状況を持っている。 もちろんやらないよりはやったほうが良いが、確率的には低い。この勘違いは、営業の仕事が、見込み客を集めることと、 成約まですることの両方を担わせているからだ。
これからの営業は、見込み客のところに行って、成約することに専念したほうが良い。見込み客は、何らかの興味を持った集団だから、 圧倒的に成約までの可能性が高い。だから、プッシュ型営業の範囲を見込み客に絞るべきである。
そのためには、見込み客を集める別の方法が必要になる。これまでは、CMだとかチラシだとかを使った原始的なプッシュ型販促であった。 逆に言うとプル型の販促方法があまり無かった。あえて言えば、タウンページなどの電話帳や、立て看板などであろうか。
それに代わるものが、ホームページである。
ホームページには、何らかの興味を持つ人しか訪れない。その訪れた人を見込み客として、把握できれば効果的な販促ができる。
IT業界の企業のホームページでさえ、そこそのものに集客力のあるホームページを持つところは少ない。どのホームページも、 訪れた後のことは考えていても、どうしたら見ず知らずの人が訪れるかまでは考えきれていないことが多い。
商店なの経営者に、ホームページさえ綺麗に作れば、きっと売れるはずと勘違いさせているのも、このためである。 どんなに綺麗に作っても、訪れるようにしていないから、売れるはずがない。
これからは、もっとプル型について活用方法を考える必要がある。
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投稿者 :堀田信弘: 2005年11月28日 21:05
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