古田敦也選手が、選手兼監督として来季からヤクルトの指揮を執ることになった。 2004年には日本プロ野球選手会会長として新球団参入に尽力を尽くし、球界の危機を救ったリーダーシップには感激した。
今年4月24日、2000本安打を達成した時の記念ボールを投げたシーンは忘れられない。形式やジンクスを打ち破り、「記念」 という栄光さえ断ち切りながら、新たな目標に向かう姿に感銘する。
プロ野球のプレーイング・マネージャーは1977年の野村克也氏以来で、その教え子である古田の采配には今から楽しみだ。 しかし現在は、29年前とは異なり、役割の分業が進むなかで、兼任はそう容易いものではない。
プレイング・マネージャーといえば、我々のIT業界で言えばプロジェクトマネージャー(PM)とでも言えよう。最近では、 IT業界に限らず、営業職などを中心に、多くの企業でこの専門管理職というスペシャリストが導入されている。
元々企業側の論理は、ラインの長を増やすには、組織というハコを用意しなければならないため、 それに代わって処遇を同等に付与する「担当部長」というようなイスを増やすところ始まっている。
導入当初は、野球の選手兼監督のイメージには程遠く、窓際族と呼ばれるような中途半端な存在であった。
ラインの「部長」と処遇が同等であるにも関わらず、一部の職務を担当し、しかも責任もその職務のみということから、 処遇と待遇を分離するようになった。
待遇は同じ部長でも、処遇は、予算や目標を明確に持ったプレイヤーの部分を多く取り入れた。そのため、現場のメンバの一員であり、 現場監督でもあるようになった。
私のコラムでは、マネージャーとリーダーを区別しているため、ここではあえてリーダーと呼ぶことにする。
リーダーも含め10人のチームがあったとしよう。もし、ラインの長である専任のリーダーが指揮する場合には、 メンバの9名に120%の力を発揮させることで、9×120%=10.8人分の組織力が生まれることになる。専任リーダーが、 直接作業に関わることなく、10人以上の成果を生み出すことが可能になる。
一方、兼任リーダーの場合には、仮に、リーダーがメンバの作業を半分受け持つと仮定すると、 9.5人で10.8人分の成果をあげるには、一人ひとりが114%の力を発揮する必要がある。 リーダーが0.5の労力を現場作業にあてながら、他のメンバの力を100%以上引き出すのは至難の技だ。
もちろん、組織の人数が多くなれば、その割合は異なってくる。兼任者の負担は、人数が多くなるほど、管理・指導の比重が多くなり、 少なければメンバとしての直接作業の割合が高くなるのは当然だ。
これは、単純な机上の計算ではあるが、もし、リーダーがいない10人の組織で、 それぞれの能力を100%以上発揮させることはできないだろう。
現実的に、それぞれのメンバに120%であれ、114%であれ、100%以上の力を発揮させるには、 メンバのモチベーションをあげたり、組織を団結させたりと、リーダーのリーダーシップというのは重要なのである。
この理屈が判った上で、ふたつの立場を兼任できるリーダーというのは、極めて少ないであろう。だから、企業では、プレイング・ リーダーという表現はせず、プレイング・マネージャーと呼び、リーダーシップは期待せず、 マネージメントという管理の部分を担ってもらっているのである。
プレイング・マネージャーとしての役割は、9人のメンバが100%の力を発揮するように管理し、 自らが100%以上の力を発揮することで、組織がやるべき仕事量をカバーするというようなものだ。
元々現場が得意で出世したプレイング・マネージャーであれば、何とか自分が無理すれば、こなすことは可能であろう。
マネージャーとしては、総計で100%以上の結果が出せれば十分だが、リーダーとしては、それだけでは不十分である。 メンバを育成したり、可能性があるものは、将来リーダーやマネージャーになるような教育も必要であろう。もちろん、 それぞれが自分の分だけ100%発揮すれば良いという向上心のない組織にしてもいけない。
ヤクルトであれば、古田の控えのキャッチャー小野も、早く育てなくてはならない。我が我がとやっていると、 後輩のチャンスを奪うことになりかねない。
尾崎豊の「15の夜」が好きな古田だから、きっと若い人たちを熱い心で引っ張ることができるだろう。マネージャーではなく、リーダーとして長く活躍してもらいたいものだ。過去にとらわれず、全く新しい「ID野球」を創造してほしい。
最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。
感謝。 毎朝6時に社内朝礼ブログをこちらで公開しています。こちらもご覧頂けたら幸いです。
この内容に共感頂けたらこちらをクリックして下さい。ありがとうございます。
※このブログは日本最大級の社長動画サイト賢者.TVのランキングで堂々第一位となりました。
投稿者 :堀田信弘: 2005年10月19日 15:51
こんにちわ。いつもリーダーと組織について、学ばさせて戴くところ大であります。
古田氏と私は同年代のため、古田氏には、思い入れがありますね。それから故尾崎豊も生きていたならば同い年です。15の夜が好きなら若い選手の気持ちが分かることと思います。
「タジイの気楽日記」
http://blog.livedoor.jp/ccc03271/
投稿者 タジイ : 2005年10月19日 19:09
http://www.hottaworld.com/mt4/mt-tb.cgi/146